2020/12/05 03:25

 わたしの言う「71」は昨今の商業的戦略だったり、イヤらしい誘い文句でも、謎めいたたりした暗号でもない。もちろん「愛と数学のエピソードコンテスト」等に応募するエッセイとして語るものでもない。その分身だと思う人もいるとは思うが。

 私がこの数字を愛しはじめたのは永遠にも感じられたモラトリアムのぬかるを歩いていた頃の話。

 すみよし台の桜は葉桜になり、真綿のようにやさしく、生ぬるい風は心地よく体を包み込みこんだ。

 ローカル薬局、マクドナルド、ワケのわからないオブジェのある公園。F1マシンみたいな速度で掛けていく私の時間を誰もとめることはできなかった。


つづく